Mixhibition

“POSSIBILITY”
Photography_Gori Kuramoto(Pygmy Company) Styling_Keiko Watanabe (KIND) 
Hair&Make-up_Naoyuki Ohgimoto Model_Ella  Composition&Text Eri Umeda (GISELe)

Mixhibition

“POSSIBILITY”

2022 S/S Style Samples

単に新しさを求めるわけではない。新しい季節、ひいては時代を迎えるにあたり、固定概念にとらわれず、精神的な開放感を味わいたい。そんな時代性を反映した、なりたい自分への方向性を示す力のある服があふれる今季。改めて自分の「好き」を見直すきっかけとなる、服における4つの可能性に言及。

Issue#22

DON’T BE SHY

「引く手あまたな新ベーシック」

いつものベーシックでは事足りない。
やや主張する、それでいてなじむという
相対する個性をまとうアイテムから
選抜された服好きのための新ベーシック。
着れば着るほどまた着たくなる、
着方の可能性を言及。

POSSIBILITY 01

アウターとしても飾りとしても
「フレンチスリーブ気味のジレ」

鋭いVネックにノーカラー、首周りをシャープに見せることで袖の長さやロング丈を重く見せない手法。トレンチライクな硬派さながら、落ち感のあるボンディング素材で上品なモード感をキープ。

GILLET:01

ニットドレスを研ぎ澄ます縦ラインの潔さ

たっぷりと揺れるティアードスカートが透け、ドラマティックな表情を見せるニットドレス。そんなドレスの儚さとは相反するハンサムなジレをはおり、しなやかなのに芯の強い女性像を演出。表情を柔和させるニットカーディガンの肩がけで、近寄りがたさも感じさせない。

GILLET:02

切れ味のいいレイヤードで正統派シャツが見違える

アウター的にはおったジレのシックなディテールで、サックスブルーのキレイめシャツを退屈させないルックスに。やや重みのあるレイヤードを軽やかに見せる目的で、シアーなワイドボトムスに頼るのも一手。透ける素材の揺らぎで、重みを分散させると効果的。

POSSIBILITY 02

“くずして整う”目的で
「メンズライクな黒のロングブルゾン」

ボリューミィな見た目に反して、薄く軽い素材が軽やかに舞うミリタリーコート。シックな黒に歩くと浮き立つ後引く表情が、カジュアルというよりモードなハズしとして作用。質感にややハリを出し、ルーズさも回避。

BLOUSON:01

端正なオールホワイトの力を抜く
自由自在なシルエット

クリアな輪郭を描く白の強categoryを、brandルゾンの無造作な動きで力みをゆるめた正攻法。潔癖なまでにクリーンな白の色味をいかすべく、モノトーンの静けさをキープする黒でゆるませるという方法は秀逸。スリムな白と黒のボリュームというコントラストも美しい。

BLOUSON:02

リラクシーなセットアップを
モードへ導く無骨な黒

見た目も着心地もいいシルク100%のパジャマライクなセットアップ。それだけでは気が緩んでしまう上下に、気の強い黒をまとうことで力まず整うテイストミックス。風を受けてふくらむサマもドラマティック。

POSSIBILITY 03

引き算だけじゃない
「シアー素材の白タートルネック」

透けるあやうさと肌の質感があいまってどこまでもセンシュアルな素材を、正統派のタートルネックに仕立てたアンビバレントな1枚。シャリっとしたニュアンスが、普通の白以上にモードさを演出。すそや襟に入ったブラックのメロウパイピングがささやかなアクセント。

TURTLE NECK:01

ランダムなチェックの動きを支える
あいまいな白という逆説

直線的なカッティングが美しいシャツドレスの襟元から、タートルネックを覗かせた普遍的なレイヤード。無造作にリボンをたらす技巧的なデザインと印象の強いチェック柄のイエローゆえに、タートルは透ける白ぐらいがかえって悪目立ちせずなじむ。

TURTLE NECK:02

マニッシュな装いに添える
コントラストとして作用

正統派なネイビージャケットのセットアップを、マイナーチェンジする透ける白という選択。男と女という対比のみならず、知的な色味ゆえの重さも軽妙に見せてくれるという一挙両得なレイヤード。

POSSIBILITY 04

強くもあり繊細でもある
「縦に流れるフレアドレス」

ドレッシーなディテールながら、カジュアルなナイロン素材という1枚で2つの顔を持つドレス。きゃしゃなストラップにバッククロスデザインが女性らしい一方で、ストンとしたフォルムが凛とした表情を見せてくれる。ドレスとしてもスカートとしても利用できる、多彩さもポイント。

FLAIRED DRESS:01

ラフなシャツにふさわしい。
流して整えるその効果

スラックスでまとめたお決まりのメンズスタイルもいいけれど、フレアドレスを重ねて裾のボリュームを楽しむ日があってもいい。大胆なスリットがあれば、スカートのふくらみすらシャープに見える。白のようなベージュなら、赤と好相性。

FLAIRED DRESS:02

同素材のアウターでロング&
リーンなセットアップを創生

軽やかな素材のコートとドレスを身にまとい、心地よい縦の流れで涼しげに見せる手法。あいまいな淡いベージュには、黒の小物でメリハリをつけるという常套手段が正解。混じり気のないベージュと黒のみの世界でまとめることで、やさしいモノトーンへと昇華。