L/Journal
Collaboration Works
Vol.13

hueLe Museum 展示会レポート The Flavor of Imaginary Voyage Museum

2024.01.23

2024春夏hueLe Museum展示会レポート
Fashion × Flower × Artの最新形

2023年12月、hueLe Museum 24SSの展示会が開催された。時代の気分を取り入れながら、ファッションの楽しさや本質的なエレガンスを追求するhLMやSTUMBLYの春夏の新作たちがずらりとラインナップ。また、今回も、ブランドコンセプトであるFashion × Flower × Artを体感できるアート展示も設営。テーマであるThe Flavor of Imaginary Voyage Museumを表現する2つのアートルームは大好評をいただいた。

23AW、hueLe Museumでは、スタイリスト大草直子さんや大日方久美子さんをフィーチャーした特集コンテンツで多くの話題を提供してきたが、2024年はさらにニュースが満載だ。旗艦店であるGINZASIX店がリニューアルオープンするほか、日本橋、新宿、名古屋エリアでのPOP UP SHOP、さらに秋に向けては2号店、3号店がオープン予定。
2024年も、纏うたびに新鮮な“自分らしさ”を発見できる、大人のためのリアルモード服をぜひ体験していただきたい。

hLM“Gentelegance Chic”混沌とした時代に自分らしく進化していく女性へ

3シーズン目を迎える、hueLe Museumのオリジナルブランド『hLM』。クールでミニマムなデザインをベースに、エレガントなニュアンスや遊びごころを効かせたアイテムが好評。24SSはGentelegance Chicと銘打ち、hLMならではのシックな女性像をさらに立体的に表現。纏う女性の存在感を美しく彩る強弱のあるシェイプやトリム使い、オリジナルのジャカードやプリント素材などで、マニッシュな中に女性としての上品な優雅さやヘルシーな魅力が香り立つコレクションだ。

STUMBLY“Glacier Blue” “Sweet Mexican Rendezvous”“装う楽しさ”に満ちた自由なリミックス

トラディショナルなデザインをリスペクトしながら、そこにモダンなアレンジやリミックスを加え、独自のモード感を確立しているブランド『STUMBLY』。今の気分にフィットする鮮度の高さがありながら、トレンドを超越した進化系スタンダードとも言えるアイテムたちが今回もラインナップ。
シーズンの立ち上がりには、氷河が見せる神秘的な青をテーマにした、ブルーやモノトーンをキーカラーにした静謐な印象のアイテムたちを。初夏に向けては、メキシカンエスニックをモダンに再解釈した、鮮やかな色柄を打ち出したコレクションを。
季節ごとに千変万化なイメージを見せる“自然の中の光”、それを纏うような高揚感に満ちたコレクション。
また今シーズンもアーティスト佐々木香菜子氏とのコラボレーションが実現。さまざまなプリントアイテムが登場。

アート展示The Flavor of Imaginary Voyage Museum~ over the window ~

各ブランドの新作コレクションとともに、毎回hueLe Museum展示会で注目を集めるのが、展示会場に設営されるアート展。今回は、独自に編集した2つのアートルームを設置。
構成・演出・設営などを総指揮したhueLe Museum プロデューサーの土井一寛に聞いた。

「今回のアート展の核になっているのは、フォトグラファー・サトウヒトミさんの『over the window』というアートフォトコレクション。時間も場所もまったく異なる写真たちを“レイヤー”という技術で合成したアートフォトです。
緑の平原の風景と、コンクリートのビルや横断歩道のある景色が繋がっていたり、町家が並んでいる京都の古い小路に、石畳のパリの通りが重なっていたり。一見何の違和感もないけれど、よく見るとちょっと不思議だったり、とてつもなくファンタジーだったり。
『時空をこう超えて、本来出会うはずのない場所や人が繋がっている』というコンセプトにどんどん引き込まれます。

その写真たちにインスパイアされる中で、“仮想の世界の旅”、“レイヤー”っていう2つの大きいキーワードが浮かんできて。これはなんとなくhueLe Museumの洋服たちを通して伝えたいイメージにもフィットするなぁ、と。そこで今回の展示会で、そののコンセプトを具現化するような、架空のアーティストのアートルームを2部屋作ってみようと思ったんです。

サトウヒトミさんの『over the window』のアートフォトを中心に、いろいろなアーティストの花やアート作品をそれぞれの部屋ごとに編集して。アーティストのかたがたに共演してもらうみたいなイメージです。
アートルームは対照的な2種類、黒い印象の部屋と白い印象の部屋。黒い部屋はモダンでクール、都会的で内省的な雰囲気。白い部屋はオープンでナチュラル、ポジティブな雰囲気。陰陽のコントラストを作るように編集していきました。

参加いただいたのは、サトウヒトミさん、線画アーティストのヨシダエリさん、フローリストの(e)vol さん、アートブックのtwelevebooksさん。そして、オリジナルのアートフレグランスをTokiさんに依頼。より五感で味わっていたたく表現を目指して。

ヨシダエリさんの作品は黒を基調にした抽象画なんですが、この黒の色は、実はいろいろな色を重ねて作られたもの。そんなところに“レイヤー”というキーワードが潜んでいたり。
(e)volさんのお花についても生花を使っているんですけど、アートフラワーオブジェとして葉をフリンジのようにカットしたりして、“架空の世界への旅”で出会う妄想植物を表現していただいたり。それぞれのアート作品がシンクロすることで、お客様に、より立体的にコンセプトを感じていただく構成にしています」

今回の展示会場入口には、サトウヒトミさんのアートフォトがプリントされた、光に透けるシア素材の軽やかな幕がカーテンのようにかけられていた。

「このフォトプリントは、サトウヒトミさんが住む東京の部屋と、その部屋の窓の向こうにニューヨークの景色をレイヤーした作品。お客様が、展示会場に入るときとお帰りになるとき、この景色を眺められるよう、入口に展示しました。over the windowに広がる自由なイメージを、アートやファッションで、その人のスタイルで楽しんでいただきたいというメッセージを込めて」

Photographer

サトウヒトミ

Hitomi Sato

横浜生まれ、東京都在住。お茶の水女子大学 舞踊教育学科卒業後、日本航空国際線客室乗務員として勤務。東京ビジュアルアーツで写真を学ぶ。主な写真集に『イグアナと家族とひだまりと』(N Books・2016年)、『Layered NY』(Every Photo Books・2017年)、『crossing Prague』 (Every Photo Books・2018年)、『over the window』(PURPLE・2023年)など。受賞歴に、2006年キヤノン写真新世紀佳作、2019年ZOOMS JAPANパブリック賞など。

Line Artist

ヨシダエリ

Eri Yoshida

美大卒業後Webデザイナーとして働いた後、アーティストとして独立。アパレルブランドやプロダクトメーカーとのコラボレーション、さまざまな企業のイラスト制作をはじめ,ポートレートイベントやライブペイントなど多方面に精力的に活動中。

Toki Perfumer

KEIKO

約30年の美容師経験から髪型とはなりたい自分になること、香りとは自分らしさの表現であること美容×香りを伝えていく中で2022年にTOKIをスタート。天然香料にこだわり唯一無二の香りを生み出すクリエーターと香りのコラボレーションを新たな表現方法として活動中。同年、NAMEFREGRANCE(名前の香り)を3人のユニットで立ち上げる。生まれて最初にもらったギフト=名前、自分だけの香りとしてPOP UPを通して伝えている一人。2021年から一般社団法人アロマフレグランス調律協会の理事としても活動中。

(e)vol Designer

福田まりよ

Mariyo Fukuda

2014年 独立、(e)volを立ち上げる。2020年 目黒に実店舗を構える。生花、ドライフラワー、アーティフィシャルフラワーを用いて、様々なアプローチから製作を行なっている。柔軟で創造的な視点から、アパレルブランドの店内装花、イベントや撮影等の空間装飾、ブライダルなども手掛け活動は多岐に渡る。

Artist

佐々木香菜子

Kanako Sasaki

数多くの広告ビジュアルや商品パッケージにアートワークを提供。ライブペイントにも力を入れているほか、作品展・海外のアートフェアにも精力的に参加。今回会場フロアに設置された巨大なアートガラスボードは2021年のcreative communication labo "描く"をテーマに妄想植物を佐々木氏がダイナミックに表現した作品。

Videographer : SHUN AOKI
Editor : HIROMI KATAYAMA