Mixhibition

“TRUE COLORS”
Photography_Gori Kuramoto(Pygmy Company) Styling_Keiko Watanabe (KIND) 
Hair&Make-up_Naoyuki Ohgimoto Model_Emilia  Composition&Text Eri Umeda (GISELe)

Mixhibition

“TRUE COLORS”

2021 F/W Style Sample

いつもにましてカラフルな高揚感を求めたい今季。
赤1色とっても真紅や朱赤でイメージが異なるように、どんな色味をまとうか、どんなアイテムでまとうかがスタイリングの明暗を分ける。
そんな色味のバリエーションを考慮した上で、必然的に整う配色や質感が色にもたらす影響を考察。

Issue#19

WINTER COOL

「知性を宿す冬の寒色」

気楽さも甘さもなつかしさも、
「端正」へと導く知的で冷静な寒色を味方につけて。
単調になりがちなこの時季のスタイリングを
“冬に着る涼しい色”という意外性がリフレッシュさせてくれる。
スモーキーブルーにミントグリーン。
色味のよって様々な、冷たい色から始めるスタイリング計画。

COLOR 01

「ウォーミィな清涼感」

ニットドレスが研ぎ澄まされる
シャビーな青の透明感

深いVネックのセンシュアルな肌見せを、包み込むたっぷりとしたバルマカーンコート。男と女のコントラストを、いさめるように淡いブルーの冷静さを。単に“青”とは言い切れない混じり気のある色味が、プレーンなスタイルの単調さを回避。

コートは背面に大胆なカラーブロックをあしらった、後ろ姿も着映える二面性のあるデザイン。シンプルなディテールながら、ゆったりとした身頃や長めのレングスでモダンな印象に。

COLOR 02

「背筋が伸びるインパクト」

ケーブルニットがしゃんとする
高発色ゆえの緊張感

時にカジュアルすぎてしまうケーブルニットを、モードへ引き寄せる鮮烈なグリーン。脇と中心部で身頃の丈が異なるショート丈に、大きくふくらんだ袖というユニークなシルエットが、色味のゆえの鮮度の高さを加速させてくれる。ノーブルなツヤの黒を添えて、気品を漂わせて。

バルキーかつ硬派な素材感も、ニットをほっこりと見せない所以。アームにはバイカラーのブランケットステッチが入り、こらずともサマになるデザインを実現。

COLOR 03

「グレー手前のつつましさ」

グレーのようにまとう
ニュートラルなライトグリーン

大胆な発色は気が引けてしまう。ならばニュートラルカラーの延長で色味を取り入れるという発想を。静けさを伴うグレーと、気品をうながすライトグリーン。控えめなのに凛とした、理想の女性像を演出してくれる。

繊細に透けるウールポリエステルのビエラ素材が、淡いグリーンの発色を気高く見せるシャツドレス。胸元から入ったピンタックが縦に落ちるフォルムを強調し、スマートなIラインを形成。

COLOR 04

「おだやかにハンサム」

メンズライクに隙をうむ優しいブルーの効果

ミニマムなニットにリジッドワイドデニムの硬派な上下。ペールブルーをさらに柔和にするシアーなニットで、親しみやすい印象に。首元からちらりとのぞかせた、白まじりのブルーとのグラデーションも美しい。

発色の美しいニットは、時代に寄り添うサステナブルなモヘア糸を使用。ルーズに編み上げることで、絶妙な透け感を表現。クラシカルな大小のダイヤ柄を編み込無事で、レトロな表情を堪能できる。

COLOR 05

「糖度をおさえる目的で」

レディなドレスに知性をもたらすノーブルな配色

つややかなシルク素材とアーティなプリントがどこまでも女性らしいドレスを、ネイビーとブルーの配色でこびないムードへとシフト。濃厚な色味のシャツに対して、白を軸にした柄スカートで息抜きを。

シャツもスカートも同じシルクを使用し、見た目に反して心地よい着心地。たおやかなとろみ素材が、かえってボディラインを華奢に見せてくれる。さらに絞ったウエストで、抑揚のあるフォルムを形成。

COLOR 06

「モノトーンに折り合いをつける」

白と黒をそこわないミントグリーンで高め合う

白ブラウスに黒パンツという端正なベーシック。それだけでも成り立つ上下のニュアンスはそのままに、ミントグリーンの清涼感で颯爽と色めくという単純明快な手法。ややオーバーシルエットなコートで、ハズすようにまとって。

ダブルブレストの深い打ち合いでゆったりとさせたボックスラインのボタンレステーラードコートを、鋭いスリットの入ったストレッチパンツでソリッドに見せたいいとこ取りのバランス。カシミヤブレンドの上質なあたたかみが、モノトーンの寒々しさをも払拭してくれる。

COLOR 07

「ラフな素材もラクしない」

少量のブルーで力を抜く完璧主義なネイビー

アウターが第一印象を決めるこの時期に心強い、1枚で完成されたレイヤード。貫禄のあるミリタリーコートとスポーティなフードジレの絶妙なミックス感に、目の覚めるブルーというアクセントでハンサムさを追求。

オリジナルのボンディング素材で、滑らかな質感と驚くほどの軽さを実現したクラシックなディテールのオフィサーコート。中綿入りのショート丈フードジレとともに、単体でも完結する3way仕様。

COLOR 08

「質感に甘えない」

冷静さは保ったまま
キャッチーなモヘアニットを堪能

つかず離れずなサイジングのモヘアニットにプリーツスカートの、ストイック手前のIライン。ネイビーに近いブルーの落ち着きがニットの素材ゆえの高揚感をやわらげつつ、わずかなハズしとしての効力を発揮。

密度の高いモヘアニットの袖口にドッキングしたシアーな素材が、軽妙に見せるユーモラスなディテール。ジャパンメイドの丁寧かつ質の高いモヘアに対して、軽やかに揺れる総柄のスカートをなびかせるという静と動の関係性。