Mixhibition

“TRUE COLORS”
Photography_Gori Kuramoto(Pygmy Company) Styling_Keiko Watanabe (KIND) 
Hair&Make-up_Naoyuki Ohgimoto Model_Emilia  Composition&Text Eri Umeda (GISELe)

Mixhibition

“TRUE COLORS”

2021 F/W Style Sample

いつもにましてカラフルな高揚感を求めたい今季。
赤1色とっても真紅や朱赤でイメージが異なるように、どんな色味をまとうか、どんなアイテムでまとうかがスタイリングの明暗を分ける。
そんな色味のバリエーションを考慮した上で、必然的に整う配色や質感が色にもたらす影響を考察。

Issue#16

NUANCE

「ニュートラルカラーに合うで考える」

カラーアイテムをまとうための入門編。
あらゆる“色”を着る上で、確実にうまくいく色の法則とは?
抜けをつくる白、コントラストが落ち着くグレー、
強い色をなじませるベージュ。
理由のある3色で合わせることからはじめる
色と色のスタイル設計。

COLOR 01

「白の縦軸で考える」

穏やかなライトグリーンを整えるミルキーな白

ぬくもりのある素材ゆえのやさしいライトグリーンになじむ、ニットとパンツのクリーミーな白。あいまいながらも整然と見せる白の特性が、マイルドな色味に規律をもたらす。

ライトグリーンの発色が美しい、カシミヤブレンドビーバーを使用したダブルフェイス素材のジレ。脇のベルトループにベルトを通したウエストマークと、スリットに通してフロントにアクセントを作る2way仕様。

COLOR 02

「ピンクが変わるグレーの濃淡」

淡いトーンの延長として華やぐピンクで見違える

ペールピンクの控えめな華やぎを、中間色のグレーでさらに落ち着かせる算段。光沢によってグレーがかって見える白で淡いピンクをつなげつつ、ニットの濃いグレーで凛とした表情に。

甘い色味と相反する、トレンチのような颯爽としたシルエットのコート。包み込むようなフォルムを助長するように、たっぷりとした裾まわりのアコーディオンプリーツを仕込んで。

COLOR 03

「ベージュが喜ぶレディな発色」

赤を着るきっかけを作る正統派なベージュ

しっとりと見せるベージュの効果を利用して、よどみのない赤でニット×パンツのシンプルさをリフレッシュ。インパクトはおさえつつ、ハンサムな上下にどこか女性らしさが備わる。

強い原色も上品に発色させるピュアカシミアニット。ビッグシルエットながら、ウエストインできるちょうどいい肉厚さも着方の幅を広げるきっかけに。パンツのバックリボンが、さりげない引き締め役。

COLOR 04

「静かな色をあたためる」

冬の寒色を冷たく見せないウォーミィなグレー

ワイドパンツのストンとしたシルエットが、より涼しげな印象をもたらす白混じりのブルー。とはいえ急に暖色を合わせては色味のニュアンスを妨げてしまうことも。ブルーの効果を邪魔しないグレーニットの質感で季節感を。

袖とすその畦編みにイタリアのZEGNA BARUFFA社の梳毛をドッキングしたシルクモヘヤニット。パンツは一見シャキッとしたルックスながら、メルトンのような質感のジャージ素材を使用し程よい重厚感が。

COLOR 05

「強くないさし色で」

ゆるいベージュがほっこりしない
ブルーがもたらすフォギーな清涼感

ボリューミィなベージュドレスの隙間を埋めるように、アイシーなニットのブルーを3首からのぞかせて。強い色で引き締めるよりも、ベージュのやさしさに寄り添いながらメリハリをつけてくれるブルーの効能。

ウールアルパカのふわっとした風合いが、寒々しくないブルーを成立させる理由。ややシアーな質感で、ニットながら程よい抜け感も備える優秀さ。

POLICY 06

「混じり気のあるベージュを味方に」

ベージュだから成り立つ
ピンクではなくピンクっぽい

いきなりカラーアイテムはハードルが高いと感じるなら、色味をともなうニュアンスカラーを選択。例えばピンクの愛らしさを兼ね備えた、シックなベージュパンツのように。

縦にシルク、横にウールの交織ツイルが、光沢とハリをもたらすテーパードパンツ。シャープなディテールに対して、上半身はベージュっぽい白でゆったりとグラデーションを描くように。

COLOR 07

「縦に流して輪郭を」

なじみやすいあいまいな色同士は
縦に流して抑揚を

ベージュとペールカラーの相性は言わずもがな。膨張しがちな配色だけに、シルエットやレイヤードでメリハリをつけるのが得策。ロング丈を生かすべく、ノーカラーカーディガンでIラインを形成。

カシミヤと同レベルの保湿性と軽さに定評のあるへアリーニットを採用したカーディガンは、カジュアルにも合わせやすいフ

COLOR 08

「ハンサムなグレーで際立つ」

冷静なグレーからのぞく澄みわたるブルー

整然としたグレーのチェスターコートを、知的に盛り上げるハイコントラストなブルー。レイヤード風のデザインボトムスのモードさも、色の力で静謐な印象を保てる。

タートルニットは質の高さに定評があるイタリアのBOTTO GIUSEPPE社のウールを採用。繊細で美しい目面ながら、ウォッシャブルという嬉しい二面性も。スタンダードなチェスターコートは、上質なカシミヤシャギーの質感でシックな表情に。

COLOR 09

「白を理由に強いもの」

カラーニット1枚で、 大胆な配色を楽しむ余裕

ローゲージのメンズライクなニットを、切れ味よく見せるスラックスを投入。足元から白でまとめることで、発色のいいグリーンが際立つ思考。立体感を出すのに、同素材のカーディガンを肩にかけるという発想は秀逸。

発色のいいウールのコード糸で編まれたタートルネックニットは、真冬にも重宝するあたたかさ。タートルネックの後ろに配置したスナップボタンは、開けて着るとラフな印象を楽しめる。

COLOR 10

「コントラストをやわらげる」

複雑じゃないからできる「モード手前」の明快な配色

シルク混のツヤめく素材ゆえ、あざやかに発色するピンク。Aラインの流れに添うように忍ばせることで、派手というよりモードを実現。やさしいグレーなら、配色の強弱が整いピンクが悪目立ちしない。

カシミヤシャギーのダブルフェイス素材で仕立てたぬくもり感じるポンチョコートと、ツヤをはらむスカートの対比も印象的。スカートはハイウエストながら、後ろにゴムが入っていて、着心地にも配慮。

COLOR 11

「コク深い色で覚醒する」

清楚な白を高める、気の強い高貴なパープル

ボウタイブラウスとプリーツスカートを合わせたイノセントな白に、なつかしさをはらむ奥深いパープルで趣を。ファー加工したふんわり感を、スカートのはためきで軽やかに見せて。

スカートの中間からシアーな素材へと切り替えることで、より透明感のある女性像を演出。起毛したピュアカシミヤニットのあどけなさにも通ずる、どこか目が離せない配色と質感。

COLOR 12

「マイルドに華やぐ新配色」

発色のいいイエローをつなぐ柔和なベージュ

ベージュのイメージを裏切らないボアコートと、イエローの強さを引き立てるテーパードパンツのトーンを揃えたグラデーション。ややコンサバな上下でも、感度の高いイエローがかわいい大人へと引き寄せてくれる。

フレアに広がるコートの構築的な前後差フォルムを、切れ味よく見せるテーパードパンツを配備。シルクの光沢と肉厚なウールをブレンドすることで、ドレッシーにもカジュアルにも堪能できる。