Mixhibition
Hair&Make-up_Naoyuki Ohgimoto Model_Ella Composition&Text Eri Umeda (GISELe)

Mixhibition
2022 S/S Style Samples
単に新しさを求めるわけではない。新しい季節、ひいては時代を迎えるにあたり、固定概念にとらわれず、精神的な開放感を味わいたい。そんな時代性を反映した、なりたい自分への方向性を示す力のある服があふれる今季。改めて自分の「好き」を見直すきっかけとなる、服における4つの可能性に言及。
ASPECTS OF WHITE
「白で見えてくる」
色味にとどまらず、質感や形、装飾で、
ますます幅の広がる白。
必然的に整う色だけに、
着方の方向性を見出していくことで
色の垣根をこえたイメージにたどり着く。
着てみたかったあの色も、白同士でも。
そんな考えから導かれたスタイリング提案。

「白からはじめる」
クリーンな白をキャンバスに
絵画のようなグラデーション
ニュアンスの異なる様々なブルーが入り混じる、アーティなグラデーション。美しい流れを際立たせるため、シャツ地の白で輪郭をえがくように。ときにおかたさを感じる知的な色味でも、縦に落ちる心地いい流れがどこかゆとりのある印象を実現。
前面の硬派なデザインとは裏腹に、大胆な配色で目を引くモードなシャツ。生地にプリーツ加工を施すことで、単調にならず奥行きを感じさせる。パリッとしたシャツ地に対して、シルキータッチのスカートという質感の差も効果的。



「カジュアルとモードの間で」
ユニセックスな白Tを
格上げするドレスの表情
鋭いVネックと凹凸のあるフレアスカートの表情が、ニットドレスのやわらかさを研ぎ澄ます計算されたディテール。そんなニットワンピなら、オーバーサイズの白Tでメンズっぽさを添えても品格はキープ。高貴なオールホワイトならなおのこと。
つまり気味のクルーネックでハンサムに見せるカットソーは、やや肉厚ながらつやのあるスムース素材。ニットドレスのクチュール感と相まって、気取らないモードさを表現するにはうってつけ。

「キレイな色を高める白」
光沢のあるパープルが映える
一歩控えた白の発色
あざやかな発色を受け止めるのに、クリアな白では強すぎる。ツイード調の質感とアイボリーに近い色味で、パンツの色をなごませるように。さらにつやのあるパープルが、ブラウスのクラフト感を品よく見せるという相互扶助の関係性。
重厚感のある生地ゆえに、動きのない大胆な前後差がかえって硬派に見せるシンプルなトップス。シルク100%ながら表情のある生地で、シルクウールテーパードパンツとの気位の高いセットにも親しみが。

「テイストミックスも白ベースなら」
メンズライクとドレッシーの
ちょうどいいコントラスト
オーバーサイズの硬派なシャツと、フリンジで装飾したデコラティブなスカート。主張の強いアイテム同士を組み合わせる上で、配色は重要なカギ。透けるアイスグレーと軽やかな白という見心地のいい配色で、主張の強さを引き算するイメージで。
後ろ丈の長いシャツはアレンジも可能。背面のすそを前面で結ぶことで、リラックスしたフォルムにメリハリをプラス。スカートに使用したパリ・MALHIA KENT社のフリンジツイードはオリジナルで作成。削ぎ落とされたデザインで、日常にも臆せず使える。

「白で包み込む」
ひねりの効いたセットアップに
ニットのやさしさ
サイドフレアの切り替えに一直線な白のライン。ギミックを効かせたセットアップを、さっそうとまとった白のニットでつつましやかにトーンダウン。ブルーまじりのグレーなら、モノトーンのような静寂もまとえる。
リネン100%で、ニットゆえの柔和なムードとリネンのドライな質感がほどよく調和したロングカーディガン。心地よく透ける素材がひらりと舞い、どこか目を引く後ろ姿を形成。

「レトロな柄もあか抜ける」
白でフレッシュする
クラシカルなチェック
濃厚な発色とチェック柄の相性の良さは言わずもがな。とはいえときに、レトロなムードがやぼったく感じてしまうことも。白をベースにしたチェック柄ならなつかしさが軽減され、濃いブルーのブラウスも研ぎ澄まされてモダンな印象にシフトできる。
ハンサムなシャツディテールにフレアなドレープを出し、ほのかに甘さを香らせたブラウス。ペンシルラインのスカートで、ゆるやかな膨らみをただす正攻法。

「柄の白とリンクする」
密度の高い花柄を
軽やかに見せる白の清涼感
すそに向かって広がるブラウスとたっぷりとしたフレアスカートのボリュームも、風になびく素材で軽妙に見せる手札。ふんわりとしたシルエットをシャープに見せる、鋭いVネックも計算のうち。
2枚の扇型の生地を入れ違いに巻きつけたようなパターンを特徴とした、シルク素材の贅沢なフレアスカート。歩くたびにすそがゆれるさまが、総柄のスカートを単調に見せない秘密。
「甘い色味の中継地点」
テンションの異なるピンクをつなぐ無機質なアクセント
インナーに仕込んだ白のクルーネックブラウスが、MA-1風のブルゾンとツヤめくブリーツスカートの違和感を整える役割。ややルーズなサイズかつ無駄のないベーシックさで、ピンクの甘さもフラットに見せてくれる。
メンズジャケットとロングスカートのよくあるミックスも、繊細な動きと質感を備えたプリーツとならカジュアル以上のしたたかさ。ベージュまじりのピンクで、糖度を控えたバランスも絶妙。

「透ける白と黒の重み」
黒でとどめて白で流す。
イメージ通りのモノトーン
厚みのあるスエットをシルクオーガンジーの軽やかさで流す正攻法。カジュアルにおちいりがちな組み合わせながら、モノトーンで仕上げることでシックな佇まいへと昇華。大胆な背中の肌見せで、センシュアルなムードを加えて。
スカートはシンプルなジオメトリックレースに、ピュアシルクオーガンジーを重ねた技巧的な1枚。バックオープンの肌見せと合わせても、品の良さは損なわない計算されたディテール。

「白黒つける」
レディな上下にはくがつく
つつしみ深きツートーン
白と黒、無機質な2色を美形なブラウスとペンシルスカートで堪能する究極のシンプルモード。そこに大げさなボリューム袖を添えることで、一輪の大花のごとき優美さを演出。
何ものにも染まらない白ゆえに、インパクトの強いそでも悪目立ちせずおだやかに身に纏える。フィット感のあるブラウスながら、ラインを拾わないハリのあるカットソー素材が身体をキレイに見せてくれる効果も。

「すべらせるように」
白の流れを潤すグロッシーなミントグリーン
縦にストンと落ちる、ブラウスとパンツの特性を応用。心地よい流れに乗じてミントグリーンのツヤを加えることで、やや甘い白ブラウスのディテールも、儚く知的な趣に。
優美なドレープと鋭いVラインのバックコンシャスなブラウスを、シャリっとした手触りと落ち感のある素材で仕上げてモード一歩手前の心地よさに。リボンは無造作に垂らし、平静さに拍車をかけて。

「さし色にもなる」
高貴なイエローをじゃましない
抜け感として作用
あざやかなライムイエローのアクセントとして、微量の白で発色をなごませるという逆説的な効果。さし色として使う場合、イエローと相性のいい黒やネイビーは強すぎてしまうことも。抜け感を伴う白がベスト。
リネンの天然素材らしいテクスチャーに、ナイロンのつるっとした手触りをハイブリッドしたオリジナル素材のセットアップ。スカートはグルカパンツのディテールをベースにし、ウエストはダブルバックルを採用。
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2022.06.09 Mixhibition
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