Mixhibition

“NEW POLICY”
Photography_Gori Kuramoto(Pygmy Company) Styling_Kaori Higuchi (KIND) 
Hair&Make-up_Naoyuki Ohgimoto Model_Olga  Composition&Text Eri Umeda (GISELe)

Mixhibition

“NEW POLICY”

2021 F/W Style Sample

新しさを追い求めるよりも、スタイリングに対する心構えを変革すべき時。 繰り返すことで見えてきたルーティンの変化や、目新しいものとの関わり方。 “これが着たい”より“こう着たい”へと発想を変えて、服の持つあらゆる可能性を引き出す発想で。

Issue#15

LAYERED

「飽きないための些細な仕掛け」

始まったばかりの冬服との付き合いを、
飽きさせないためのアイディア帳。
第一印象に変化を見出せないアウターも、
食傷気味なニットも。
着方の手数を増やすことで、
ワードローブの可能性はもっと広がる。

POLICY 01

「緩急つけるIライン」

3層がさねの重みをそぐ美意識の高い鋭い直線

重厚なニットドレスとシャツドレスのレイヤードを、シャープに見せる目的でショールカラーのIラインを投入。グレーとグリーンのあいまいなトーンも、精度が上がり輪郭がよみがえる。

イタリアALBINI社のコットンサテンを使用したつややかなシャツドレスに、ウールリバー素材のコートであたたかみをもたらす算段。首元や袖からのぞかせたダークグリーンのドレスが、アウターやドレスの揺らぎを整えてくれる。

POLICY 02

「トップス的にコートをまとう」

無駄のない黒を飾る糖度高めのセーラーカラー

ホットピンクの愛らしさにセーラーカラーのつつましさを添えたジャケットを、シックな黒で支えて記憶に残る佇まいを創生。ジャケット以外はベーシックを貫いて、色やデザインを際立たせて。

ディテールの甘さに品をもたらす、光沢のあるカシミアのような風合いのコート。構築的なパターンに仕上げた後ろ下がりのショート丈が、全方位でサマになるモードなデザイン。

POLICY 03

「包み込む形+適度な肌感」

曲線的なフォルムを研ぎ澄ます優美な鋭角

ゆるやかにたゆたうアウターに、規律をもたらすVネックドレスを重ねた漆黒のレイヤード。首元からのぞくデコルテの肌感が黒とのコントラストで浮き立ち、光を補うハイライトのような役割。肌を見せるのは首まわりだけを貫くべく、ワイドパンツで覆い隠して。

端正なノーカラーコートながら、実はフライトジャケットとM-65をモダンに解釈した3wayのミリタリーコートという意外性。ファスナーを取り外すと本格志向のN-3Bナイロンパーカにスイッチ。

POLICY 04

「全部ベーシックでデザインする」

白はやさしく黒は冷静に。
イメージ通りのモノトーンを味方に

リブの黒タートルにシャツを重ねピーコートでおおった、全部正統派ゆえの凛とした強み。ビッグサイズなアウターがモードに見せつつも、イノセントな白でどこかやさしげ。

肉厚なウールメルトンのピーコートの下に重ねても、すべてシンプルならムダなく整う。スカートの黒をブーツへとつなげたあざとさも、ミニマムに見せるためのテクニック。

POLICY 05

「ぬくもりは飾るように」

平坦なドレスに奥行きをもたらすニットの厚み。

ラウンドしたユニークなフォルムを立体的に見せる肩かけニット。シルキーなニットドレスに対してふっくらと起毛するモヘアの質感で、ニットONニットも新たな表情に。

カシミア混のつややかなニットの首やすそから、差し色としてリブニットの白をイン。パンツもニット素材を貫いたやさしさに、ムードを壊さず引き締めるための正攻法。

POLICY 06

「高発色を2乗する」

彩度の高いワントーンも
知的なグリーンならモード。

ツイードとニット、異なる質感の同系グリーンでレイヤードを形成。コートもパンツもAラインに広がるシルエットが、かえって発色の強さを分散させてくれる。ボリュームをそぎおとす意味で、黒タートルは必須。

重厚で立体感のあるコートは、フランスMAKHIA KENT社のロービングツイードを採用。クチュール風な仕立てゆえ、1枚でもドラマティック。発色を滑らかに見せる質感が、実はカラーブロック向き。

POLICY 07

「ゆれる黒でとぎすます」

ツヤをともなう黒で
ウォーミィなベージュをクラスアップ

ウール素材のニュアンスカラーというあたたかみに対して、ドレッシーなサテン地のブラックで少々気張るという新発想。親しみやすさやしなやかさ、得難い二面性を連れてきてくれる。

白のパイピングにボトルネックデザインなど、一見シンプルながら計算されたコートのディテール。ロング丈ボトムスのレイヤードに適した、スリット入りのミドル丈も絶妙。

POLICY 08

「ドレッシーにダウン」

日常でドレスを楽しむきっかけをダウンで

ジェンダーフリーなディテールに、シックなノーカラー。カジュアル以上にモードを感じるダウンなら、大胆な襟の華やかさにもなじみつつリアリティを追求できる。

濃度の高いピンクと黒のコントラストも、やや透けるドレスの素材がゆるやかに見せてくれる。表地にイタリアLIMONTA社の素材を使用したダウンの軽くてソフトな風合いも、配色を重く見せない一助に。