Mixhibition

“NEW POLICY”
Photography_Gori Kuramoto(Pygmy Company) Styling_Kaori Higuchi (KIND) 
Hair&Make-up_Naoyuki Ohgimoto Model_Olga  Composition&Text Eri Umeda (GISELe)

Mixhibition

“NEW POLICY”

2021 F/W Style Sample

新しさを追い求めるよりも、スタイリングに対する心構えを変革すべき時。 繰り返すことで見えてきたルーティンの変化や、目新しいものとの関わり方。 “これが着たい”より“こう着たい”へと発想を変えて、服の持つあらゆる可能性を引き出す発想で。

Issue#14

BASED ON BOTTOMS

「多様化したボトムスを軸に」

もはやボトムスは“スカート=キレイ”、
“パンツ=ハンサム”とは割り切れない。
脚のラインに含みをほのめかす余白が
かえって女性らしいスラックスや、
ソリッドな表情を浮かべるIラインのスカートなど。
新たなる個性を宿すボトムスから始まる
スタイリング提案。

POLICY 01

「高発色で物語る」

ワイドパンツが凛とするツヤめくグリーン

物おじしないふくよかなシルエットが、研ぎ澄まされるグリーンのインパクト。オーバーサイズのシャツにダウンジャケットをはおったメンズライクな白のルーズさも、力まず凛と見せてくれる。

ウールシルクの質感が功を奏し、グリーンの発色に品性を与えてくれる素材の作用。爽快な白シャツとの掛け合わせも、強さが抑制されて主張しすぎずほどよく上品。

POLICY 02

「レトロなニットの新相棒」

なつかしさに緩急つける明度の高いブルーを採用

表情を緩和させるマルチカラーのケーブルニットを、都会的に見せる意味でスラックスという選択は正解。そこになつかしくも強い色という一面が備わることで、柔和なニットがキリリと引き立つ。

ニットのネイビーと水色の配色からグラデーションを描くように、中間色のブルーを配置。やさしいイエローの配色が、キレイな寒色をほころばせる。隙間からのぞかせた、白のハイライトも効果的。

POLICY 03

「静けさと揺らぎの相互関係」

物憂げなモノトーンが目覚めるプリーツの微動

黒と白の無機質なイメージを象徴するような、静謐なブラウスとスカートの協奏。そこに微小な揺らぎが加わるだけで、どこか目を惹く所以となる。例えば歩くと躍動するプリーツや、無造作に垂らしたボウタイのように。

時に強すぎてしまうモノトーンこそ、色味や素材でコントロールする必要が。微光沢のニュートラルな白なら、清楚なブラウスも身近な印象に。黒のスカートからのびるストラップが、アイラインのような役割。

POLICY 04

「着映えするIライン」

シンプルに奥行きをもたらす肉厚な質感

タフに揺れる厚手のウール素材が縦に流れるシルエットに立体感を宿し、どこかリュクスな佇まいのドレス。さらに蓄熱性の高い中綿素材のフーディジレのやさしい膨らみで、ロング&リーンをマイナーチェンジ。

素材ゆえの重みも、クリーミーな白なら流れるように軽やか。黒ジレと白ドレス、素材の違いを利用することで、冬の日にありがちな膨張感もカット。

POLICY 05

「モードを呼ぶ強気なツヤ」

カラーコートにスイッチが入る攻めた質感

オールブラックという軸に映えるミントブルーのカラーコート。スラックスフォルムのまじめさに、フェイクレザーのツヤめく質感を補うことでかえってコートのイメージをモードに導くというトリック。

フェイクレザーパンツのハードなニュアンスを、足元の白ソックスとローファーで整えると大人のバランス。黒の重さを引き算する意味でも、明度の高い白を差し色にする発想は名答。

POLICY 06

「後ろ姿で引き寄せる」

バックリボンに宿る大人のためのかわいげ

しなやかながらハリのある、穏やかな表情のワイドパンツ。振り返ればウエストの黒いリボンが揺れるという、さりげない愛嬌。シンプルな黒ニットのつつましさと、共鳴するように。

見心地も着心地もソフトに仕上げたスムースな質感。太めながらハイウエスト仕立てで、脚を長く見せてくれる効果が。そんなボトムスにとって、インできるゆとりのあるニットという存在は必要不可欠。

POLICY 07

「まじめなパンツで息抜きする」

カジュアル素材のスラックス、両極端ゆえの面白み

センシュアルを呼ぶシースルーニットを、品行方正なスラックスで整えるという正攻法。ジャージー素材というパンツのラフな一面が加わることで、主張の強い上下の抜け感役を担う。

透けるのはそでだけという、1枚で着られる嬉しさもあるニット。繊細な素材ゆえのつややかな発色も、視線を奪う魅力。内側にあしらわれたパンツのスリットが、気だるくキレイにつながるギミック。

POLICY 08

「ドット柄=甘いだけじゃない」

ほろ苦いドット柄を描いた強くも儚いスカートを軸に

甘くて可憐という固定概念を、色や配置でシックへと導くアーティなドット柄。糖度の高いイノセントな白のセーラーカラーコートも、スカートの落ち着きのおかげで大人の嗜みへと昇華。

ブラウンのジョーゼット地に黒とグレーのペイント風ドットをランダムに配置。パターンを超えた絵画のような趣が、通常のドットよりも手に取りやすい所以。ふわりと揺れるフロントスリットも粋なはからい。

POLICY 09

「キレイを促す躍動感」

シンプルゆえに目を奪われるたゆたうプリーツの乱反射

縦に流れるルーズなニットに、なだらかに揺れるサテンのスカートをセット。光とシンクロするシルバーという色味が全方位に反射し、ミニマムなワントーンの立体的な飾りとして成立。

レザー調のエンボス加工を施した360°全円のサテン素材に、グラフィカルなアコーディオンプリーツが波打つさまが華やかなデザイン。たっぷりと広がるすそまわりも表情豊か。

POLICY 10

「広がることで研ぎ澄まされる」

ニットパンツを格上げするソリッドなシルエット

オールブラックに高発色のレモンイエローのニットをさしたモードさに、無難なパンツを合わせてはつまらない。ひざからはじまる大胆なフレアで、攻めた配色に拍車をかけるように。ニット素材というやさしい一面で、ほどよくブレーキをかけて。

インパクトのあるルックスながら、ストレッチの効いた素材とゴムウエストで着心地も快適なパンツ。オーバーサイズのピーコートからのぞかせる、含みのあるレイヤードも新鮮。

POLICY 11

「すそから魅せてコートが華やぐ」

端正なパープルでアウターの重みを流すように

メンズライクなコートのすそからのぞかせた、淡いパープルの清涼感。グレーのコートが寒々しく見えないのは、マットなフェイクレザーのほどよい重みゆえ。足元のソリッドな黒ブーツで、淡白な配色を引き締め。

表向きは正統派のバルマカーンコート。裏を返せばイエローの後身ごろと白のバックベルトが織りなすカラーブロックで、モード感を堪能できる二面性。ややロングに仕上げることでモダンにアップデート。

POLICY 12

「パンツ以上に芯が強い」

クラシカルなコートに寄り添う凛とした女性らしさ

ケープがドッキングされたノーカラーコートに、クラシカルなニュアンスを損なわずキリッと見せるスカートのIライン。レディな魅力に寄り添いつつも、無駄のないシルエットが端正に整えてくれる。

心地よくのびるワイドリブが、ストレスフリーな着心地のスカート。インナーに仕込んだタートルトップスを白でつなげて、ニュートラルな軸を作ることが、穏やかなコートを際立たせるコツ。