Mixhibition
Mixhibition
2021 F/W Style Sample
新たなるワードローブの発見で、スタイリングの幅が広がる次なるシーズンへの過渡期。うちなる高揚感に導かれるように、服に息吹を与える一手にフォーカス。予定調和ではつまらない。意表をついた4つのアプローチで攻略。
RESET
新しい季節は「最小限で再攻略」
やわらかな質感と余白のあるフォルム。
夏の延長で装いを秋にシフトする、
先をみすえたアイデアフラッシュ。
次のシーズンへ持ち越したいこと、
季節感をもたらすあたたかさとの向き合い方など。
できることなら、最小限で。
これまでのワードローブに沿った、ほどよいマイナーチェンジ。
「季節をまたいで2つの顔」
毎日のように着たいからこそ
飽きさせないためのトリック
クリーンなさわやかさゆえ、正統派な白シャツほどシーズンレスに操作できるアイテムもない。例えばそんな都合の良さに、半袖にも長袖にもなるアジャスタブルな機能が加われば、着方の可能性は無限大に広がる。
半袖ゆえの清涼感を逆手にとって、新しい季節を連想させるあたたかな色の試しどき。なつかしい味わいのカーキの重みを、クリーンな白でモダンに引き寄せる相乗効果を狙って。ジェンダーレスなサイジングが、力まずハンサムに一役。
シャツの包み込むようなシルエットに対して、ツヤを含むプリーツのゆれで涼やかな軽さをもたらす発想。連続するAラインの直線美がかえって切れ味をよく見せて、暑さとは無縁の空気を纏える。
「涼しさをともなう些細なしかけ」
ニットの重みに隙を呼ぶ サイドスリットという意外性
ひとあし早くニットを手に取るなら、先にもつながるベストという選択肢は見逃せない。脇腹からざっくりと入ったスリットがニットのあたたかみを律し、どこかモードな印象へと導くディテールも新鮮。
白とグリーン、混じり気のあるやさしいニットに対して、ドラマティックなフォルムを描くスカートでエレガントな開放感をアピール。スリットの延長線上に弧を描く、小気味のいいシルエット。
「Tシャツに必要なぬくもり」
ラフな白Tをパレットに
ブルーでほころぶコーデュロイで色付け
夏のイメージをまとう白Tだからこそ、コーデュロイの質感で季節をコントロールするたやすいテクニック。ともすれば重く見える冬素材のセットアップでも、軽やかな白のおかげで品のいいカジュアルへと着地。
白のさわやかさを後押しする、キレイなスカイブルー。印象的な色ながら、どんな色のトーンも落ち着いてみせるコーデュロイなら“目立つ”ではなく“目を引く”にとどめてくれる。
「あたたかみを生む
白ではなく白っぽい」
ベージュに極近いクリーミィな発色で
無機質な白を柔和させる
シャツとスカートのレディな上下を、凛と整えるオールホワイト。あえて乳化したようなこっくりとした色味をセレクトして、モードにかたよりがちな白に安らぎを求める提案。
ただでさえ膨張しがちな白も、あいまいな発色の場合さらにぼやけがち。上はゆったり、下は細みのメリハリの法則を採用して、わかりやすくスタイルアップを。シャツの余韻を楽しめる、フロントだけインする手法も懸命。
「トレンチはきちんと着ない」
端正な表情はそのままに
飾り気を控えたニューノーマル
季節をまたぐスタイリングに必要なのは、肩ひじはらないリラックス感。あらゆるディテールを削ぎ落とすことで、トレンチが持つきちんとしたムードも軽やかにまとえる。
通常のトレンチよりも軽やかなインポートのシャンブレー素材で、見た目を裏切るラクさを堪能。サイドに深いスリットを入れるなどあくまでもほぐす意味でのディテールが、ON・OFFを決めつけずスタイリングの幅を必然的に広げてくれる。
「秋にすぐわないあえて夏の色」
発色の良さゆえの高揚感を
ニットに落とし込むたしなみ
季節にまつわる色の垣根をとっぱらい、高発色のグリーンでシンプルを飾ってみる。攻めた色でもどこか落ち着いて見えるのは、Tシャツやシャツに比べて控えめに見せるニットだからこそ。
ほぼカットソーに近い、透けるほど薄手の質感。垂らすリボンや裾のペプラムなど、縦に流すディテールが色の強さを逃がすという計算高い一面も。硬派なスラックスで、整然と整えるぐらいがちょうどいい。
「余裕をまとうようにボリュームドレス」
空気をはらむシルエットで
黒はどこまでも軽くなれる
かすかに透ける質感とエアリーなシルエットで、黒=重厚という印象を塗り替えるブラックドレス。セルフメイクしたVネックからのぞく肌が、センシュアルな飾り気として作用。
透明感のある黒という、ある意味パラドックスな組み合わせ。どっちつかずな時季だからこそ、季節に対する二面性を頼りにしたい。すそからのぞかせたたゆたうプリーツスカートで、さらなる奥行きを持たせて。
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